<新入社員意識調査>3人に1人が将来、フリーターかも

社会経済生産性本部と日本経済青年協議会が17日発表した 04年度新入社員の意識調査で、全体の31%が社会人生活の 第一歩を踏み出したばかりの時点で、フリーターを将来像の一つに 考えていることが分かった。調査結果の分析を担当した同本部 「職業のあり方研究会」の岩間夏樹委員は「正社員とフリーターの 落差を考えない、若い世代の感覚なのかもしれない」と話している。
(中略)
岩間委員は「『就社』より『就職』との意識が高い。“寄らば大樹”的な 発想が薄れ、自身の能力が問われる時代に変化した」と分析している。
(中略)
岩間委員は今年の新入社員について「全体として、楽観的な印象を 受ける。会社の枠組みにあまりとらわれないので、大きな プレッシャーをかけると、すぐに辞めるかもしれない」とみている。

この人、主張がめちゃくちゃだな。
感覚なんかじゃないだろう。
楽観的でもない。
しっかり現実を悲観的に見つめて社会状況を考えてるから会社なんて不安定な物に寄っかかっていたくないだけだ。
辞めるのはプレッシャーをかけられるからじゃなくて、限られた自分の時間を投資する価値のある会社でなければ辞めるということだ。
会社が人を選ぶ時代は終わりを迎えつつあって、人が自分の能力を生かし、育てることのできる場を求めている。
昔はプライドという名の虚栄心を満足させるために大企業に就社していたのだろうが、企業の社会的信頼の失墜と共に、今は本当の意味でのプライドつまり自らの誇りのために自己実現の手段として企業を選ばないと言う選択をしやすくなった。
20年前の若者だって自分のやりたいことはあったはずだ。
それと社会的権力を大企業に入って手に入れることを秤に掛けたとき、その時代では大企業にはいることがよりメリットの多い選択だったのだ。
しかし今は大企業に入ってもメリットは薄い。
社会経験を積むといえば聞こえはいいが、それは伝統や慣習という名の、変化と進歩から離れて安楽椅子でくつろいでいたい上の人間達が楽するためのルールを押しつけられることであって、自分の理想の将来像を得ることからは遠く離れたことだ。
しかも、たとえそれを堪え忍んでも先に見えるものが何もない。
終身雇用は崩れ、やれ実力主義裁量労働制だと給料が上がるとは限らないし、年金制度は崩壊して年金ももらえるとは限らない。
そうなれば、社会(政府)に期待せずに、自分に信頼できる能力を得るためにオンリーワンの力を養わなければという考えに至るのは必然だ。
オンリーワンとなるためにはサラリーマンのような十把一絡で扱われる社会の歯車のような取り替えの効く存在でいてはマズいわけで、会社という組織から学べる物を学んだら自分だけの特殊能力を得るために会社を離れる必要があるのだから、いずれはそうなる可能性を最初から考慮に入れている。
こんな間抜けな「分析」が出たりすると、余計に現状を想像する力もない人間ばかりが上にいて100年先を見据えて国造りできるような政策なんて出ようはずもないな、とまた信頼を失うんだ。
「今の若者」の方が余程先を見据えてどうすべきか考えながら道を模索している。