事実の捻じ曲げ方

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落合弁護士が、Winny案件での取調官による供述調書の取り方について、ブログで「推測」としながらも、こんな風に取ったのではないかと言う想像を巡らせていた。

T捜査官によれば、この聴取の際の金子被告の発言には、

「自分が(Winnyを)開発したのは、確信犯的だった

私の狙っていた革命は成功した」

といった内容が含まれていたという。

「確信犯的」「革命」といった言葉が、どこからどのようにして出てきたかも、十分尋問すべきところでしょう。


一つの可能性ですが、被疑者は刑事責任について意識していない、取調官は十分意識している(単なる開発者というだけでは刑事責任を問いにくいという自覚がある)という状況の中で、

取:「これだけのソフトを開発するというのは、大変なことでしょう」(誉めちぎる)

被:「そうなんですよ」(良い気分になる)

取:「苦労話など聞かせてもらえませんか」(おだてて、しゃべらせる)

被:「いやー、大変でしたよ」(気分良くしゃべる)

取:「これだけのものを開発するというのは、一種の革命みたいなものですね」

被:「そうですね」(相手の狙いがわからず、良い気分で相づち)

取:「こういうソフトが出回ると著作権侵害も生じますよね?」(狙いをつけながら質問)

被:「そうですね」(理屈では、否定できない事態なので、認める)

取:「革命的な開発である以上、そういったことについては確信犯みたいなところがあったんでしょうか?」(確信犯ということについては、特段説明しない)

被:「そうかもしれませんね」(よくわからないまま、おだてに乗った状態で答える)

といったやりとりがあって、そういったやり取りを取調官が巧みに、捜査の狙いに沿ってストーリー化した上で、被疑者が、「なんか変だな?」と思いつつ、供述調書に署名押印したという可能性はあるでしょう(あくまで推測です)。

こんな事を容易に想像されてしまうということは、裁判所と言うところではコレが日常茶飯事に行われているという事なんじゃないかと思う。
こういう世界なんだと知っていないと、数年後にやってくる国民の陪審員制の時代に、こういった裏のやり取りを読めずに一般陪審員をとにかく騙せるような供述を取って事実はともかく被疑者の人生を狂わせるというような判決が多発するんじゃないかと思ってしまう。
司法は執行力がある分、噂として聞き流せば良いだけのマスコミよりも遥かに性質が悪いのではないか。