「四日間の奇跡」

四日間の奇蹟 (宝島社文庫)

四日間の奇蹟 (宝島社文庫)

たぶんラジオで、この作品の映画化のCMを聴いたような記憶は薄っすらとあったのだが、買う時はあまり意識しなかった。
オビに書いてあった平原綾香のコメント*1にちょっと引いた部分があったのだが、パラっとめくったら最初のページに「キリエ・エレィソン −主よ、導き給え」と書いてあったのでなんか面白いかもという勢いが勝って買ってしまった。
ミサ通常文のKyrie Eleisonは「主よ、憐れみ給え」と訳されるけどな、と思いながら。


でまあ結果、素晴らしい作品と巡り合えた。
今んとこ、この数年来の小説で俺ランキング1位です。
デビュー作とは思えないほどの圧倒的な筆力で、500ページを最後まで一気に読めてしまう作品だった。
情景の描写が巧みで、特にピアノを弾くシーンではまるで音楽が聴こえてくるかのようだった。音楽をやっている人なら尚の事、一読の価値があると思う。


第一回「このミステリーが凄い!」大賞の金賞受賞作で、ファンタジーとかミステリーに分類されるらしいが、この本をそこに分類していいんだろうか。単に俺の読んでいるファンタジー小説とかが偏っているだけ?

*1:「感動がクレッシェンドしていく。この物語のラストシーンで涙が止まりませんでした。」