世界史双六

浪人時代に見つけた漫画で志名坂高次の「受験の帝王」というのがある。
あらすじは説明するのがメンドクサイので省くが、まあ要するに主人公のマグナムこと雪村圭司が受験のプロたる師匠から受験戦争を勝ち抜く秘伝を伝授される様をおもしろおかしく描いたものだ。
その中でも最も秀逸なネタと信じてやまないのが第2巻に出てくる師匠手製の、曰く「遥か悠久の時の流れをダイスを振りながら旅をする」という「世界史双六」。
これ自体は一瞬だけ話のツマ程度に6ページ程出てきただけものなのだが、こいつを実際のボードゲーム(もしくはビデオゲーム)にしたら絶対面白いと思う。
内容は至って簡単。スタートからひたすら年号の書いてあるコマを双六を振り、止まったマスに書いてある年号に関連する史実から連想式に問題が数問出される。
例えばこんな具合。

マグナム「よーし僕の番だ。 ていっ…4!いちにっさん・・し・・と」
二人「むっ! B.C.525!!」
師匠「おおお ならば答えてみせーい マグナム!」
マグナム「はっ」
師匠「紀元前525年といえば!?」
マグナム「むろんアケメネス朝ペルシアがオリエントを統一した年!」
師匠「ではアケメネス朝ペルシアが全盛を迎えるのは!?」
マグナム「第3代ダレイオス一世の時!」
師匠「ダレイオス一世が公用語としたのは!?」
マグナム「はっははは。それはずばりアラム語アラム語は西セム語に属し、アッシリアでも公用語とされています!」

ああ、なんたる至高の遊び。
オリエントコースや古代中国コースに分岐し、全マップは病院の一室を埋め尽くすほどの異常なでかさを誇る。


実際にボードゲームとして作ると大きさ的にムリがあるので、これをビデオゲームで作ることが出来れば、桃鉄で日本全国の名産品と都市の位置を覚えて地理で無敵になれたように、楽しく無理なく遊びながら実用的な受験知識を友達と共に学べるわけです。
さらに全国の猛者達とクイズ対決しながら進めていくネットゲームとして展開すれば全統模試を受けなくとも危機感を肌で感じて自らを鼓舞することができ、互いに切磋琢磨でき、より詳しくなろうと勉強意欲も湧いてくると、いいことづくめではないですか。連想的に問題を出すというのも脳内に知識ツリーを作ることができるので変な語呂を暗唱するより遙かに効率もよい。
問題は、紀元前から現代まで長すぎてクリアできないというあたりだが、実用的に考えて、時代やテーマごとに分割したコース作りをすればいいワケなのでOKでしょう。
文部省推薦とかで金出して作らせてくれないかなあ。どこかの予備校が主催して開発してもおもしろい。