VoxOne

素晴らしかった。
まさに伝説のグループの復活と呼ぶに相応しい。


個人的にTom Baskett愛好家なので、「Could You Believe?」とか「Ol' Man River」で死にそうになってました。ああ歌うんだなあ。
普通のバンドって余程ビッグなグループでも、目立つ人と目立たない人、凄いなあと思う人とそうでもない人、という風に分かれるんだけど、彼らは5人ともSpecialだった。これほどの才能のある人達がそれぞれの人生を背負って今再びここに集まったんだということがそれだけで奇跡のようだった。
ただし、『神』だとは思いませんでした。
多くの人は異様に盛り上がっていたように見えましたが、とりあえず自分は後半はある程度冷めていた。
始まりのテンションの高さと圧倒的な声量にはビビりましたが、後半になるにつれて昨日着いたばかりだという時差ボケのせいか年齢のせいか明らかな疲れが見えてきて集中力も欠けた部分があった。
あと、ライブで見るのは無論初めてだったけれど、彼らがこれだけの実力を持ちながらなぜメジャーにならなかったのかが分かった気もした。彼らはスタジオミュージシャンに近い。一曲一曲については凄まじい程のクオリティと高い芸術性を持ちながら、ライブ全体として見た場合に選曲やステージ構成ついでにスタッフワークといった点から2時間かけて盛り上げるということがイマイチやりきれなかったりしている。
マンハッタン・トランスファーがなぜ売れたかってそこはやはりプロモーション力の違いだと思うんですよ。売るための戦略を立てて、金になるためにバンド全体のスタイルをどんどん変えていった。それがきっとマントラの好みでもあったんだろう。けど、きっとVoxOneがメインでやっているライブはこの日暮里サニーホールよりもさらに小さなライブハウス系なんだろうというのがハッキリと見て取れたし、彼ら自身がこのスタイルを望んでいるんだろうなというのもよく分かった。慣れているステージのキャパって言うのはバンドが演ってるのを見れば大体分かるわけだが、でもそれではやっぱりいつまで経ってもマイナーになってしまう気もした。


でも、由美子さんがIndigoBlueに編曲したBillyJoelの「Just the way you are」は何か迷いから突き抜けた感じがしてほんとに良かった。前に会って話をした頃は、明るそうにしててもどこかに翳を落としているようにみえたけれど、VoxOneという存在が由美子さんにとってどれだけ大きいものだったのかがよく分かる。
しかし、編曲でその人が伝わってくるってすごいことだよなあ。